【パーカー】英国製「デュオフォールド・デミ」（c.1950s） =再購入=

公開日： 2016/04/02 : 最終更新日：2017/01/09 01-万年筆紹介, 02-万年筆修理・補修関連, 05-ペン先, M07-PARKER, N02-英国, s07-エアロ・フィラー式

【Parker】”Duofold U.K. Demi”（c.1950s） Made in England.

昨年夏、以前紹介しました「デュオフォールドとその仲間たち」のデンマーク製ブルー軸以外の３本は大学時代の同級生に引き取られて英国へ里帰りしました。色々と思い出深いペンたちでしたが、あまり出番がない上に「中字」だったので未練なく譲ることにした次第です。しかし「デュオフォールド・デミ」のジャストなサイズだけは忘れることができず「私の手がどうしてもほしい」と言うので、今回再購入と相成りました。まずは写真から……。

※レストア済みの黒軸デミ。

今回購入したブツはエアロ・フィラー式の黒軸・細字。デミはカラフルな軸色と中字の組合せは見つけ易いのですが、黒軸となると中々出てきませんね。デミのディテールはキャップを閉じて約12.8cm、キャップを尻軸に差すと約14.2cm、胴軸の直径が最も太いところで12mm強という（私にとって）絶妙なサイズ構成でちょっとこのスペックは他メーカー・モデルでは中々見当たりません。そしてフィット感がとても心地よい上に、重厚感と貫録も必要十分。ショートサイズのレディース系ペンとは明らかに一線画すペンですね。

※待望の「細字」ニブ。

ペン先に「N（ニューヘイブン）」の刻印があるので、おそらく初期型ロットのものでしょう。また、同じ細字でもデンマーク製のものと比較すると若干こちらの方がガチに感じますが、基本的なしなり具合いや紙当たりのタッチ感に然程違いはないように思います。そして言うまでないことですがシャーシやインク・サック、金属パーツなど呆れるぐらい丈夫なところが「◎」ですね。

※ほとんど消えかかっているインプリントと内部の状態。

ペンの仕上がりはマズマズで、インプリントが消えかかっている上に無数の細かいスクラッチ傷があります。元々ズタボロ状態だったのでしょう、レストアした方は相当苦労したような痕跡が随所に見受けられます。まずはレストアされた方に「感謝と謝意」、そして「アンタはエライ（凄い）！！」。このペンは敬意もって大切に使い続けたいと思います。