趣味としての万年筆は持っていないの？⑧

「趣味としての万年筆は持っていないの？」の第八弾！！

❏Skribent “SUPER 2” （1940～50年代・デンマーク製）

さて前回紹介した「シェーフィールド・ペン」や「プレジデント」以来すっかりデンマークとその周辺諸国で製造されたペンに魅了され、現在ペンのディテールやレストア情報をコツコツ収集・研究しております。そんな中、今回はクリスチャン・オールセンかビッグ・ベンかは判りませんが、そのサブ・ブランド商品「スクリベント・スーパー2」をご紹介いたします。

※何かに似ていると思いませんか？

この「スクリベント」ブランドはネットの情報によるとデンマークのとある文具店の専売商品だったらしく、状態の良いブツを見つけ出すのが大変なようです。そして写真やスペックから想像するに同時代の「モンブラン202」にソックリな感じがします。勿論クリップやキャップリングのデザイン、ペン芯の形状・ペン先の刻印、胴軸に段差が無いなど細かい部分に違いはありますが、シャーシそのものは共通しているような気がします。少なくとも同じデンマークの製造工場からリリースされたものに間違い無いと思いますね。まァ～、真偽の程は今後の調査次第と言うことで……。

※早速、バラしてみました。

❒レストア編

こういった一点モノのレストアは何時も緊張の連続ですが、今回も何とか破損や損傷も無く無事終了することができました。またパーツの欠損や損傷も無くいつものボタン・フィラー式のレストアですので特に難しいことはありませんでした。その後は特に問題も無く動作しております。ただ特殊な例としてプレッシャー・バーの長さが60mmというイレギュラー・サイズでしたが、十分使用可能な状態でしたのでリプレスせずにそのまま使用することにしました。ただペン先調整は少々テコずりましたが……。

※「202」ほぼ同じようなペン先とキャップに刻印されたインプリント。

❒ペンの特徴

字幅は中細字程度でほんの少しフレックスしますが、ほとんど通常のニブと変わりはありませんでした。ペン先は刻印が違うだけでほぼ「モンブラン202」と形状は同じのようでペン芯のデザインが若干違う程度ですね。（202のペン芯は縦に2本溝があります）あとインプリントもこれまた「モンブラン202」同様、刻印されている位置も同じでキャップ側にあります。ディテールは全長がキャップを閉じた状態で約12.2cm、胴軸の直径が最も太いところで約11mm弱、どちらかと言うとショート・サイズ系の類だと思います。ただこれといった特徴が無く万人向けの中庸なセッティングがなされており、とても素直で扱い易く実用的に仕上がっているのですが……期待した以上の面白みはあまり感じませんでしたね。

❒今後の展開

デンマーク、オランダ、ベルギー、ドイツ、イギリス、フランスなどのメジャー・メーカーのサブ・ブランド商品から3rd-Tier系のマイナー・メーカーまでレストアが終わり次第少しずつ紹介していく予定です。来年もよろしくお願いいたします。

※P.S.=今回ご紹介した「スクリベント」は旧東独地域を拠点とする「クレオ・スクリベント」とは何の関係性・関連性もありません。