【シェーファー】「ステイツマン（FAT-TD）」（c.1949）+幻のフレックス・ニブ

【Sheaffer】”Statesman” Fat-Touchdown（c.1949）+ Flex Nib Made in U.S.A.

遂に掘り出してしまいました！！以前より本当に実在するかどうかもわからないシロモノとして、ウワサと憶測だけが飛び交っていた「ステイツマン」のフレックス・ニブ。当時の広告や販売資料にも一切記述が無い上にネットや著名な「万年筆本」でも一切触れられておらず、信憑性のある情報は皆無でした。まずは写真から……。

※↑見た目は平凡な「ステイツマン」。

入手の経緯はほぼゴミ同然でオークション出品されおり、Fat-Touchdown のリプレイス用パーツとしてサックプロテクターとTD菅が欲しくて落札しました。商品説明は無いわ、写真はボケてるわ、もちろん動作など問題外でセラーさんも「何も解らない」とのこと。実物も相当悲惨な状態でした。ただ何となくお宝な匂いがプンプンでしたが……。

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※↑こんな状態のペン先を買おうとは思わないワな。例の「アスコルビン酸」で復活！

ペン全体のクリーニングを終えて一通りチェックしてみると意外にも使える状態に復活してしまいました。そして試筆を始めた瞬間、とてもシェーファーとは思えない程グニュグニュで気持ち悪いぐらいシナリまくるニブ。なるほど、これのことだったのですね……。

※↑（写真左右共に）左側がフレックス・ニブ、右側が通常のニブ。

上の写真を観察しますと、ペン先が少し「お辞儀」気味で、ペンポイントに近づくにつれてニブの厚さが通常タイプ（右）の約半分の薄さになっているのが見て取れます。どうやら若干ペン先を調整したフシはあるもののリバース（改造）された形跡はなさそうですね。下の写真が試筆したもの（下手で申し訳ありません）とペン先の開き具合です。ペン先は少し筆圧をかけると簡単に開きます。

※↑フレックスに慣れていないので、妙に気持ち悪い！

こういうことが起こり得るので古い万年筆を探すことが辞められません。今年はネットや「万年筆本」では紹介されたことが無いペンやニブ、情報が皆無なモノを入手・紹介してきました。おそらく、万年筆にはまだまだ掘り起こされていない埋もれたペンたちが沢山あるような気がしますね。私は「万年筆本」の類は一冊も持っておりません（立ち読みはありますが……）。この手の本はジェネラル・インフォメーションとしてベーシックな知識を得る手段としては良いと思いますが、その本のトリコになったりバイブルなどと考えたことはありません。むしろ、それらの枠組みから外れたところで自由に好みのペンを探し続け、ペンの紹介・レストアを楽しんでいきたいと思っております……。