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レバーフィラー式のサック交換

レバーフィラー式のインクサック交換をご紹介いたします。但しかなり我流の部分がありますのでご容赦ください。また作業を開始する前に分解した各パーツのクリーニングをすることをお勧めします。

❏用意するもの…ハサミ or カッター、木の棒、シェラック(接着剤)、新しいインクサック、ノックアウトブロック

①予め首軸からペン先・ペン芯をノックアウトブロック(写真下右側)を使って外しておかなければなりません。特にSHEAFFER、PARKER、MABIE TODD SWAN、WATERMANなどのレバーフィラー式はこの作業はほぼ必須だと思います。ノックアウトブロックは海外のペンツールなどを扱っているショップサイトで見つけることができます。

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※ノックアウトブロックの使用は十分注意してください。メーカーによってはスクリュー式のねじ切りがある場合は使用できません。また力を入れすぎたり無理矢理押し出したりすると首軸にクラック(ヒビ)が入り一巻の終わりです。鉄の棒と小さなトンカチを使って軽く少しづつ叩いてペン先・ペン芯を外します。(無論、自己責任で!)

②胴軸と首軸を分離します。胴軸に新しいインクサックを入れて木の棒などで奥まで挿入します。挿入したらサックが飛出している部分をカットします。(写真下右側)

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③インクサックを一旦胴軸から抜きます。胴軸と首軸を合わせた完成形(写真下左側)を予測しながらサックを尻から10mm程度ずらして余分なサックをさらにカットします。ニップルにシェラックを薄く塗りサックを接着します。その後30~60分程度完全に接着されるまで放置します。

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④接着後サックにタルク・パウダーをまぶすのが一般的ですが、私はシリコンスプレーを綿棒に吹いてそれを塗っております。またインク漏れを予防する手段としてニップル部分にワセリンを塗っておきます。

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⑤胴軸と首軸を合体させます。首軸側から木の棒を使ってサックを胴軸に押し込んでいきます。これをやらないとサックがきちんと挿入されないばかりか胴軸の中で曲がったり、捩れたりしてインクの吸入が困難になります。そのため①で説明した通り予めペン先・ペン芯を外さなければなりません。最後にペン先・ペン芯を首軸に戻します。今回紹介しているペンは胴軸の直径が大きい割にニップルの直径が小さかったため、サックが何の抵抗もなくスポッと挿入できたのでペン先・ペン芯を外す必要はありませんでした。あとは水で吸入のテストして問題がなければこれで作業は完了です。

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※新しいサックと古いサック。シリコンスプレーとワセリン(写真下右側)

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