【パーカー】フランス製「ラ・プルーム」（c.1948-50s）後期型+レストア編

【Parker】”La Plume”（c.1948-50s） a.k.a. = “Double Or Laminé” made in France.

今回はフランス製「ラ・プルーム」の後期型をご紹介いたします。このペンは以前より狙いを定めていたペンの一つで、この度思惑通り「現状渡し品」（ジャンク？）で “eBay-FR” にて出品されていたブツをゲットしました。またペンがこの時代のパーカー・ファミリーのどの系統に属するかは議論の余地があるところで「V.S.の遠い親戚」だとか、単純に「V.S.のレディース（ショート・サイズ）・バージョンではないか？」など様々な意見や見方があるようです。ただ確実に言える事はフレンチ・パーカーとして戦後初のゴージャス系レディース（ショート・サイズ）・ペンであり、40年代後半にエアロ・フィラー式を導入した初期モデルの一つとも言えます。外観デザインは均整の取れたグッド・ルッキングなフォルムで上質感が漂っていますね。因みに前期型（1947年製）はプラスチック軸＆キャップのバキュマチック仕様で「激レア品」とされており、こちらは愛好家のコレクターズ・アイテムとなっているようです。まずは今回の写真から……。

※写真右がレストア前の状態。（セラーさんの写真を編集しております）

上の写真右の通り「現状渡し品」（ジャンク？）で購入。如何にも使いっぱなしの放置状態で汚れや小さなキズはあるものの、目立つ凹みやパーツの欠損・欠品は無さそうでしたので「これはイケル～」と直感的に判断して購入することに踏み切りました。まずはいつも通りの洗浄からスタートして各パーツをチェック、インクサックは着色はあるものの交換するほど痛んではおりませんでした。またペン先とペン芯のマッチングも悪くないので分解は必要ないと判断しアスコルビン酸による洗浄に徹することにしました。洗浄方法は過去記事のデンマーク製「ニュー・パーカーV.S.」などのページをご参考にしてください。

※アスコルビン酸のみの洗浄でここまでキレイになります！！

ペンのディテールは、軸色が少し明るめのブルゴーニュ（バーガンディ）で全長がキャップを閉じて約11.6cm、胴軸の直径が最も太いところで約10mm強。ペン先は18kフレックス無しの中字。キャップは18k金張り仕様（Double Or Laminé）ですが流石にフランス製故に重さはほとんど感じられず、またトップ・ヘビー感もほぼ皆無で中々の出来具合に感心しております。またキャップを尻軸に差しても全長が約13.7cmと非常にコンパクトなサイズです。唯一の欠点は軸が細いので少し頼りなさを感じるところですかね。それ以外は上々で、感覚的に軸の細い「シェーファー・タッカウェイ」って感じで取り回しやサイズ的にほぼ同じように感じますね。

※キャップの Double Or Laminé 刻印と胴軸のインプリント。

この度はペンの希少性もさることながら、アスコルビン酸だけでどこまで満足な洗浄ができるかを検証してみました。個人的にはあのジャンク状態からここまでキレイになるのであればこれで十分かな？と思っております。とりあえず洗浄のご参考になれば……。

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