【シェーファー】 「スノーケル アドミラル」（c.1952-59）+幻のアカウンタント・ニブ

【SHEAFFER】”Snorkel Admiral” (c.1952-59) + “accountant nib” made in U.S.A.

２年前「もう、スノーケルのことはこれ以上語らない」などと言ってしまいましたが、今回はオープンタイプ・ニブのアカウンタント・ニブを掘り出したのでご紹介したいと思います。以前よりトライアンフ型ニブ（樽ニブ）にアカウンタント・ニブが存在していることは知っておりましたが、オープンタイプにもラインナップされていたことは知りませんでした。アカウンタント・ニブとは針金のように字幅が細く、極細字（XF）よりさらに細いのが特徴でニードル・ポイントなどと呼ばれる場合もあります。しかし実際チョークマークや識別コードなどが消えている多くのヴィンテージ万年筆の場合、XFなのかアカウンタントなのか見分けのつかないまま「極細字」として売られているケースが多いようです。先ずは写真から…。

※コンベンショナルなスノーケル。首軸が胴軸と同色なので後期型かな？……。

12月に入り久しぶりに eBay を覗いてみるとクリスマス商戦を狙ってか普段より商品が多数出品されておりましたが、そんな中ヒッソリとこのペンが出品されていました。写真写りが悪い上にたった2枚の全体写真のみ。誰も入札している気配も無く説明文にも「レストアが必要」との記載もあり「あ～、またジャンク類のスノーケルか～～」と思いつつもペン先部分を思いっきり拡大すると何やら「A2」と読める刻印が……。

※「A2」の刻印と出品写真では見えなかった「ACCT.」のタグシール。

到着したペンは「あレレ～」意外にもレストアが必要ない程スノーケル動作が素晴らしく、インクサックや内部機構も全く問題ありませんでした。ただペン全体が少し荒れていたので「プレ・リム＋ルネッサンス・ワックス」で外観を整え、スノーケル・チューブの向きを正しい位置に調整した程度で十分使用可能な状態となりました。下の写真はシェーファー「Fニブ」との比較したものでいかに「アカウンタント・ニブ」が細いのがわかりますね。

※アカウンタントニブとＦニブ（細字）の比較。（スキャンしたもの）

ペン先は多少のカリカリ感はあるものの概ね良好な状態をキープしており、国産の極細字と同等かもしかしたらそれより少し細目かもしれません。細字好きにはたまらない魅力がありますが、まァ～呆れるぐらい本当に細いですね。欧米ではここまで細いものを欲しがるユーザーは（コレクターさんを除いて）あまりいるとは思えませんので意外に入手は容易かもしれません。そして久し振りに eBay を訪れて思ったのですが確かに良品の出品数はかつて程の勢いは無いものの、それでも「まだまだ掘り出しモノ」があることを再認識いたしました。今回は「ここまで細い字が書けるシェーファーもあるよ」ということで紹介を終わりたいと思います。

※スノーケル・チューブの向きを正しい位置に調整。