【シェーファー】「TMタッチダウン」シリーズ（c.1950-52）

公開日： 2014/10/18 : 最終更新日：2017/01/09 01-万年筆紹介, M01-SHEAFFER'S, N01-米国, s02-タッチダウン式

【SHEAFFER】“TM Touchdown” （c.1950-52）

タッチダウン「FATモデル」の生産終了後、胴軸の直径を細くして再設計され「TM（Thin Model）タッチダウン」としてデビューした軽くて細長く見えるペンです。この細長く見えるデザインは後に発売される「スノーケル」のデザインにも継承されていきます。ペン自体はクオリティ・コントロールに成功したようで「FATモデル」のように個体差による品質のバラつきはほとんどありません。作り込みも丁寧で欠点も少ないのですが、私的にはこの細長いデザインは私の手にはどうにも馴染まないようで50年代のシェーファー・ペンはスルーしておりほとんど使っておりません。素晴らしいペンなんですがね……。

※↑右側写真の左よりステイツマン（エバーグリーン・XF）、ステイツマン（ペルシアンブルー・F）、ソボリン前期型（エバーグリーン・F）、ソボリン後期型（バーガンディ・XF）、バリアント（バーガンディ・XF）、センチネル・デラックス（エバーグリーン・F）、センチネル・デラックス（ブラック・M）。

※↑ステイツマン、ソボリンのオープンタイプ・ニブ。少しシナリを感じます。

※↑バリアント、センチネルデラックスのトライアンフ・ニブ。ガチガチ。

意外に思われるかもしれませんが、TMタッチダウンはスノーケルに比べて圧倒的に生産本数が少なく（製造期間は3年弱）、状態の良い個体を見つけるのは結構難しいかもしれません。また購入希望者やスノーケルのボロさに疲れたユーザーが多いのでしょうか、特別希少価値があるレア物ではないのに eBay でのオークション落札価格はここ3～4年で2～2.5倍にハネ上がっているようです。以前は20ドル台で簡単に購入できたものがここ最近は40～50ドル前後で取引されることが多いように思います。私的にはここ最近の円安傾向もあり割高感を感じております。

※↑TMタッチダウン分解写真。

TMタッチダウンは私の手には馴染まないものの、細字が好きな方におススメの逸品です。XF・Fなら本当に細い字が書けます。さらに軽くてバランス・インクフローも良いので持ち歩き用としても適しているように思います。また「FATモデル」よりも製品が安定しているので個体差による品質のバラつきが少ないのも「◎」です。メンテナンスは「タッチダウン式のインクサック交換」の項で触れた通りそんなに難しくはありません。ペンのスペックは全長約13.5cm、直径は約10.5cm。消耗品は”O”リングと#15sサイズのインクサックのみ。