*

【プラティグナム】「リーガル&エンサイン」(c.1960s)

【Platignum】”REGAL” & “ENSIGN” (c.1960s) made in England.

今回は60年代エコノミー・クラス・ペン(スクール・ペン?)の英国製プラティグナム万年筆2本をご紹介いたします。ビンテージ物のプラティグナム・ペンの魅力はズバリ「状態と価格のバランスの良さ」に尽きると思います。鉄ペンであれば一本せいぜい2~5ポンド(約300~700円位)程度で購入可能で十分楽しむことができます。最強のコスパかも知れませんね(笑)。まずは写真から……。

  

※ブルー軸「エンサイン」&ダークテール軸「リーガル」。

❒プラティグナム「リーガル」

60年代を代表するプラティグナムのスクール・ペンだそうです。60年代製なのにレバー・フィラー式?と思いますが、低価格に設定されたスクール・ペン故に徹底したコストダウンが行われたようです。意外にもプラスチックの質感やシャーシの剛性は上々で全体的に価格以上の内容となっております。唯一の欠点は以前紹介した「Big Ben 35」同様、首軸と胴軸を分離することができないので修理・補修ができません。ハッキリ言えば「使い捨てペン」なんですが、耐久性の優れたピルグラス・サックがインストールされているので、使える状態の個体が多いのも特長の一つですね。ペン先は太字スタブが搭載されておりましたが日本語は書き難いものの、硬くも柔らかくも無く中庸なセッティングがなされております。まァ~、子供達の筆記練習用ペンとして十分なパフォーマンスがあると思います。一般的にネガティブな評価が多いプラティグナム・ペンですが、このモデルは比較的ポジティブに受け止められているように思いますね。

  

※個性的なペン芯とクセの無いスタブ・ニブ。(自社製?)

❒プラティグナム「エンサイン」

こちらもスクール・ペンの類だと思われますが、むしろ学生(中・高校生?)向けのエコノミカルな万年筆のように思われます。クオリティは「リーガル」ほど極端なコストダウンはしておらず、常識的な低価格ペンに仕上がっております。学生が日常的に使用する実用万年筆として十分なパフォーマンスを確保しており、またエアロ・フィラー式を採用するなど扱い易さにも一定の配慮がなされております。このモデルは低価格ながら完成度が高く質感も悪くありません。ただペン先はこれと言った特徴が無い普通の鉄ペンですね。

  

※ペン先は普通の中字。よくある鉄ペンのフィーリングです。

さて、このプラティグナムは正直言ってあまり評価に値しないペンなのかも知れません。インクが漏れる・噴出すなど特にカートリッジ・ペンに対する悪評が海外では目立ちますね。元々が低価格が売りのペンなので、いくら古いペンだと言ってもビンテージとしての価値は低いと言うのが一般的な評価なんですかね!?なるほど一理あるとは思いますが、ここはスタンスを変えてコスト・パフォーマンスという視点から見ると中々魅力的なペンに思えるのは自分だけでしょうか?この度はクオリティやレストアがどうだとか以前にコスパという観点からプラティグナムの古いペンを記事にしてみました。色々と意見や考え方があると思いますが、評価は皆さん各個人に委ねますね!

※P.S.=プラティグナムは現在も英国の総合文房具メーカーとして存続しております。もちろん万年筆も販売しておりますが、流石に英国での生産は止めて中国製のブツを自社ブランドとしてリリースしているようです。

関連記事

【スティルミン】「303(カートリッジ式)」(c.1960s)

【STYLOMINE】” 303 ” Cartridge Filler(c.1960s).  Mad

記事を読む

【ウォーターマン】カナダ製「クルセイダー」前期型(c.1946-48)+レストア編

【WATERMAN】Early "Crusader (Taperite)" (c.1946-48)

記事を読む

【シェーファー】タッチダウン「クラフツマン」(c.1950-52)

【SHEAFFER】Touchdown "Craftsman" (c.1950-52) ここ最

記事を読む

【ウォーターマン】イタリア製「 ヴァンガード 」(c.1960s)

【Waterman】"Vanguard" (c.1960s) made in Italy. 今

記事を読む

趣味としての万年筆は持っていないの?⑪

「趣味としての万年筆は持っていないの?」の第十一弾!! ❏"Sheffiled pen" (1

記事を読む

【シェーファー】「800 ドルフィン C/C」(c.1962-64)+幻のスタブ・ニブ

【SHEAFFER】 "800 Dolphin" Cartridge & Converter

記事を読む

【パーカー】カナダ製「デュオフォールド」(c.1948-50)+分解レストア編

【Parker】"Duofold"(c.1948-50)Made in Canada. メーカ

記事を読む

「ショートハンド・ニブ」とは何か?

【Shorthand Nibs】 「ショートハンド(速記)」とは「速記文字や速記符号とよばれる

記事を読む

【シェーファー】カナダ製「ステイツマン」(c.1949-50)ファット・タッチダウン

【SHEAFFER】 Early Touchdown "STATESMAN" (c.1949-50)

記事を読む

【シェーファー】タッチダウン「アドミラル」(c.1950-52) + ショートハンド・ニブ

【Sheaffer】Tounchdown "Admiral" (c.1950-1952) + Sho

記事を読む

趣味としての万年筆は持っていないの?⑪

「趣味としての万年筆は持っていないの?」の第十一弾!! ❏"Sh

趣味としての万年筆は持っていないの?⑩

「趣味としての万年筆は持っていないの?」の第十弾!! ❏"MAR

趣味としての万年筆は持っていないの?⑨

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 「

趣味としての万年筆は持っていないの?⑧

「趣味としての万年筆は持っていないの?」の第八弾!! ❏Skribe

【マビー・トッド】インド製「スワン・ジョッター」 (c.1960s) + エアロ・フィラー式

【MABIE TODD & Co.】”SWAN JOTTER”

→もっと見る

  • 2024年4月
    « 1月    
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  
Translate »
PAGE TOP ↑