【シェーファー】500, 800, 1000「ドルフィン」(c.1962-64)
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最終更新日:2017/02/07
01-万年筆紹介, M01-SHEAFFER'S, N01-米国, s02-タッチダウン式, s10-カートリッジ・コンバーター両用式
【SHEAFFER】 “500, 800, 1000 DOLPHIN” (c.1962-64)
シェーファーのユニークなペン先を持つペンとしてこの「ドルフィン」が紹介されることはあってもイマイチ人気がないのかインプレはないし、検索してもお目当ての記事にヒットしない。それに正比例するかのように価格もリーズナブル(15~40ドル程度)でお買い得感があります。海外では”Fake Inlaid nib”(ニセ・インレイドニブ)とか”Fake Imperial”(ニセ・インペリアル)などと陰口をたたかれているようだが使ってみると悪くない。むしろきちんと設計されたペンだと思う。ただシェーファーのペンたちの中でも少々「変わり種」であることは間違いないと思うが……。正直言って細字(F)や中字(M)、それと鉄ペンについては特筆すべきことはない。見た目とは違い、書き心地は極々平凡な実用万年筆でありこれといった特徴もないように思う。但し……14kの極細字(XF)だけは絶品である。私的にはシェーファーの極細字「トップ3」に入るぐらい気に入っている。基本ガチニブなのだが、ガチガチではなく意外に紙当たりが柔らかく動きがスムーズでコントロールし易い。極細字に有りがちな「カリカリ」という感じはなく「サリサリ」って感じで、ちょっと他のシェーファーペンでは味わえないほど個性的で独特のタッチがあるようです。特にA5やA4横罫ノートに2~3ページ程度の業務日報を書いているときなど最後の最後まで極細字でキッチリ書き終えることができるのである。またどういう理由かは判らないがどんなインクを入れても濃淡が出づらく、インクのトーンに変化がないのでビジネス文書を坦々と書くことに向いた実用万年筆であることが分かると思う。その反面、面白みに欠けていると思うが……。
さてペンのラインナップだが、「Dolphin(ドルフィン)」という名前で売り出されたわけではない。のちになっておそらくコレクターが製品を見分けるために付けたニックネームだと思う。発売当時は単に500(5ドル)、800(8ドル)、1000(10ドル)として売られていたようです。
500 Dolphin | 鉄ペン・プラスチック軸&ステンレスキャップ |
800 Dolphin | 14k・プラスチック軸&キャップ |
1000 Dolphin | 14k・プラスチック軸&金メッキキャップ |
※500&800はタッチダウン式、カートリッジ式両方あり。
※1000はカートリッジ式のみ。
“500”と”1000″は金属キャップ仕様なので若干トップヘビー気味(気になるほどではないが……)、カートリッジ仕様は中身にタッチダウンの金属管がないので少し軽め。人によって好みはあると思うが、”800″のタッチダウン仕様が重さと質感のバランスが最も取れているような気がします。私は14kカートリッジ仕様の極細字(XF)と鉄ペンカートリッジ仕様の細字(F)を外出用に常に2本持ち歩いております。仕事で結構出張が多いため、地方に行っても現行シェーファーカートリッジインクの入手が容易で重宝しております。仕事用のデスクに14kの”800″(タッチダウン)を2本置いてあります。
最後にこのペンの難点は鉄ペンや14kの細字(F)・中字(M)は簡単に見つけることができるが、14kのXFだけはほとんど見かけることがなくかなり入手が困難なことである。私も約10年間で3本(2本はeBay、1本はヤフオク)しか入手できなかった程です。個性的な極細字がお好きな方にはおススメの逸品です。「おォ~と、こういう極細字もあったか」と思うハズです。興味のある方は気長に根気よく探してみてください。
※写真左・右…どこかのブログでインペリアルをこのように並べた写真を見て衝撃(メッちゃカッコいい~♪)を受けました。こっちは「イルカ君」で対抗!?
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