【エスターブルック】英国製「CH（パース・ペン）」(c.1950s)

【ESTERBROOK】“CH” [Purse Pen] (c.1950s)  U.K. Model.

ここ最近、何年も前から探し続けていたエスターブルックのペンが手元に来ています。今年は「エスターブルックの祭り」の予感が……!?

今回は英国製「パース・ペン」（CH）で、以前「カミングアウト！～」の記事で紹介した”Pastels”と同じペンです。実はこれ、永年探し続けていたペンでして米国製のパステルカラー軸とは違い、英国のみで製造・販売されたダーク・ソリッドカラー（フラット・ダークカラー）軸バージョンです。このペンの存在は以前より知っていましたが製造された本数が少ない上に「ONOTO・SWAN級」のコレクターがこれらのペンを所有していることが多く、まず市場（ネット上）に出回ることはほぼ皆無で海外でのペンショーにでも行かない限り入手は不可能と思っていました。この度運よく「ダーク・レッド」軸を入手することができましたのでご紹介します。軸色は発色が塩梅良く抑えられており「深紅」に近い品のあるダーク・レッドです。また天冠と尻軸のジュエルの色が黒というのも引き締まった感じで好みです。ニブは比較的高価(相場で25～30ドル)なNo.2314M “Relief” ニブ（スタブ）が付いておりましたが、今の私には必要性がないのでNo.1554 “Clerical”（事務用?）に交換いたしました。”Clerical”ニブは極細字ですね。ちなみに米国製パース・ペン（Pastels）の後期型で軸色の濃いものを「ダーク・パース・ペン」と呼ぶようですが、これとは全く別物ですのでご注意を!!

※胴軸には「Esterbrook/MADE IN ENGLAND」のインプリント。

戦前～戦後直後の英国製エスターブルック・ペンについては情報や資料・現物がネット上に多々出ておりますが、戦後～1950sになると資料や現物が乏しくなり断片的な情報しかないのが現状のようです。そして米国から輸入されたものや一部のモデルの除き大半のモデルは「コンウェイ・スチュワート製」なのだそうです。さらに興味深いことにダーク・ソリッドカラー（フラット・ダークカラー）軸は”CH”の他、”J-PEN” ダブル・ジュエル・シリーズの “LJ”や”SJ” にも存在しており、軸色も確認した限りダーク・レッドの他にダーク・グリーン、ダーク・ブルーもあるようです。おそらくそれ以外の軸色も何色か存在するのでしょうが確認できておりません。また当時これらのペンは米国国内で販売されることはありませんでした。このことはコレクターの方々を除いて一般的には知られていないようです。話が濃くなってきましたが、今後も英国製エスタブルックの研究は続きます………。乞うご期待!!

※No.2314M の “Relief” – Medium （スタブ）。（写真左側2枚）

※交換した No.1554 （Clerical）ニブ。（写真右側2枚）

※戦後の英国製エスターブルックについては資料・現物に乏しいため情報の不正確さや誤記・誤解の可能性もありますので予めご了承ください。