【パーカー】デンマーク製「デュオフォールド “oversized” AF」（c.1948-52）+レストア編

【Parker】”Parker Duofold =oversized= AF”（c.1948-52）Made in Denmark.

今回はデンマーク製「デュオフォールド “オーバーサイズド” AF」をご紹介いたします。AF時代のオーバーサイズド・モデル（シニア・サイズ）はデンマークのみで製造・販売され、他国製（英国製やフランス製など）のブツはありません。またこのモデルは知名度や認知度が低い上に生産された数が少ないため入手が難しく、ネット上で売り物が見つかることはまずありませんね。約一年前に「ジャンク」状態で購入しましたが、あまりに悪臭が酷いのでパーツをバラバラにした上でジップロックに入れて封印（放置）しておりましたが、この度レストアに踏み切りました。まずは写真から……。

※ボディは荒れておりましたが、それなりに仕上がりました。

さて、強烈な悪臭は牛舎などで遭遇するニオイと同じで北海道生まれの私としては慣れたニオイのはずなんですが……意を決し約2ヶ月前にジップロックの封印を解きました。まず台所用中性洗剤で表面の汚れを落としましたがニオイは変わらず……。その後たまたま介護関連の仕事をしている知人と世間話しをしている中で「洗濯用洗剤を使う」ことを思いつきました。試行錯誤の末、水500ccに対して（商品名言っちゃっていいんですかネぇ～？）「消臭ストロング 7：ハイジア 3」をミックスして希釈2倍＋（意味が無いと思いますが）アスコルビン酸10gを大量投入。24時間パーツ全てをドブ漬け→水洗いしてヌメリを取る→さらに24時間水にドブ漬け→拭き取った後24時間自然乾燥。これでやっと悪臭は無くなりました。今はハイジアの清涼感溢れるいいニオイがしております。但し未だ科学的な論拠に乏しく、ペン先・ペン芯への悪影響やボディの変色などのリスク（可能性）もありますので絶対にマネはしないで下さいね！！

※現在、異臭はありません。（笑）

❒レストア編

コンベンショナルなアルミニウム・フィラー式（ボタン・フィラー式）ですので、レストア方法は「パーカーV.S.」などのページをご参考にして下さい。また軸が太いシニア・サイズですのでニップルの直径が約7.15mm、インクサック・サイズは通常より大きい18sを使用します。但し、プレッシャー・バーはスタンダードな66mmタイプで十分です。

❒ディテール

「デュオフォールド “オーバーサイズド” AF」の特徴はスタンダードAFとペンの長さはほとんど変わりませんが、軸だけが異様に太く13.5mmもあります。見た目のインパクトも強烈でズングリ＆ゴロッとしております。重さは意外に軽くスタンダード・サイズと比べて然程変わりませんが、ペン先だけは「オーバーサイズド」に相応しい大きめのものが装着されておりますね。試筆した感じは使い勝手も含め決して悪くありませんが、軸が太いので各個人の手の大きさや指の長さによって良し悪しが左右されるような気がします。ハッキリ言えば「サイズ的な特殊感」が伝わり、FAT好きの私でさえ流石にこの太さが……必要あるのかな？と思いますし、スタンダード・サイズで十分という意見があっても不思議ではありません。以下、「オーバーサイズド」と「スタンダード」サイズの比較写真です。

※キャップの天冠を見れば太さの違いが判ると思います。

最後に貴重なペンだけにどうしても復活させたいという思いでレストアに取り組みましたが、私が扱ったペンで異臭に悩まされた第一号でした……トホホ。もうニオイはありませんのでご参考にどうぞ！