【ウォーターマン】英国製「 515 」（c.1940s ）

【Waterman】” 515 ” （c.1940s ） Made in England.

イングリッシュ・ウォーターマン第五弾（最終回）！1940年代のウォーターマンのフラッグシップモデル「515」です。この個体は初期型で1946～47年まで生産されていた英国製「515」の典型的なディテールをもつモデルです。初期型の仕様は大型の「No.5」ニブとペン芯がフィンの無いノッペリしたタイプ、クリップが「段付アールデコ・クリップ」というのが外観の特徴となります。ちなみに後期型（1948～53年）はクリップが「モダン・アールデコ・クリップ」になります。一般に後期型「モダン・アールデコ・クリップ」のほうがデザイン的に完成度が高くまとまりが良いように見えますが、私的にこの野暮ったく田舎臭いデザインには初期型の「段付アールデコ・クリップ」のほうが似合っているような気がしますね。以下写真をご覧ください。

※黒っぽく見えますが軸色はダーク・グリーン、写真右は胴軸のインプリント。

ペンの書き心地ですが前回紹介した「W5」よりペン先の大きさがほんの少し小さく、シナリ具合いや弾み方がマイルドでどちらかと言えばこちらの方が若干ガチな感じがします。セミ・フレックスとまでいきませんが、ほんのりシナリを感じる程度の柔らかさです。外観デザインは「W5」よりさらにシンプルで一重キャップリングがイイ味を出しております。う～～ん、シンプルですね～。

※ペン先とペン芯。

ペンの詳細は全長がキャップと閉じて約13cm、胴軸の直径が11.5mm。ほぼ「W5」と同じサイズですが何故か「515」の方が重みがあり、この「重み」がこのペンの書き心地を軽快なものとしているようです。不思議な感覚ですね。また、キャップの刺さりが「W5」より深いのでコントロール性も良好な上、ペンの長さもちょうど良いので私の手にはこちらの方が使い易い感じがします。全体的なペンの評価ですが「515」はビジネス文書を書く実用万年筆としてお気に入りの一本だと思っております。疲れにくく握りも心地良く、シェーファー「ステイツマン」同様、製造されてからすでに60年以上経っているにもかかわらず扱いに神経質なところなどは皆無です。毎日普通に坦々と使えているところが凄いですね。またパーツのクオリティが高いうえに作り込みに手抜きが無く、レバーも呆れるぐらい丈夫なところも「◎」ですね。ペンはレバーフィラー式でインクサック・サイズは定番の#16。消耗品のインクサックをリプレイスすればすぐ復活します！！

※P.S. 　戦後直後～1960年代まで「不遇の時代」のウォーターマン万年筆のインプレと紹介はこの記事をもって一旦終了いたします。いままでこれらの拙い記事にお付き合いしていただきありがとうございました。今後は英国製マイナーブランドやパーカーなどを少しづつ紹介できればと思っております。これからもよろしくお願いいたします！！もちろんシェーファーも紹介しますね！！