趣味としての万年筆は持っていないの?⑤
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最終更新日:2018/06/11
01-万年筆紹介, 97-趣味としての万年筆, M18-Big Ben, N07-デンマーク, s05-ボタン・フィラー式
「趣味としての万年筆は持っていないの?」の第五弾!!
❏BENZON “Big Ben 35” 1940年代【細字/セミ・フレックス】
※おそらく戦前に製造されたと思われるペン。
デンマークのBENZON TRADING COMPANY(ベンゾン・トレーディング・カンパニー)の自社ブランド「ビッグ・ベン」万年筆をご紹介します。このベンゾン社の歴史は古く1920年代~50年代頃まで存続していたメーカーで、かつてはクリスチャン・オールセンのライバル会社として存在し、「ウォール・エバーシャープ」のデンマーク及びスカンジナビア地域の輸入代理店業務も展開していました。そして戦中・戦後はドイツ系メーカーの下請けもしていたようです。今回好奇心で購入した「ビッグ・ベン 35」は概ね良好な状態をキープしており、経年劣化や変形・型崩れもほとんど無く全体的なデキの良さに感心しております。当時のデンマークの工業力や技術レベルの高さには本当に驚かされます。
※14kセミ・フレックスのペン先。若干シナリはあるものの通常(Firm)寄りのニブ。
写真の通り何の変哲も無い14kオープン・タイプのペン先が搭載されておりますが、セミ・フレックスの割にはあまりシナリは感じず日常的なビジネス文書を書いても違和感は感じません。以前紹介した同時代の「アッカーマン」とはかなり性格が異なっており、こちらの方がよりメインテナンス性と実用性に優れているように感じますね。また戦前の万年筆に有りがちなインクのボタ落ちなどの機構的な怪しさもありません。
※ボタン・フィラー式ですが、何と胴軸と首軸が分離できません!
ディテールは全長がキャップを閉じて約13cm、キャップを尻軸に差すと約14.1cm、胴軸は直径の最も太いところで約11.5mm。黒軸で字幅は極細字~細字程度のフレックス幅の狭いタイプです。インクの濃淡がほとんど出ずフローも絶妙で上品なタッチが特徴的ですね。但し、このペンの唯一の難点は胴軸と首軸を分離できない一体成型でしたのでサック交換時にエライ目に合いました。レストアにはちょっとしたコツとカン、それと度胸が必要ですね!ここではレストアの方法は掲載しませんが、まァ~想像にお任せします。今回はザックリと感想を述べるに留めておきたいと思います。
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