趣味としての万年筆は持っていないの?②
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最終更新日:2018/06/11
01-万年筆紹介, 97-趣味としての万年筆, M11-MAJESTIC, N01-米国, s04-レバー・フィラー式
「趣味としての万年筆は持っていないの?」の第二弾!!
❏Majestic “Unknown” Model. 1940年代後半【細字】
米国においてこの時代の典型的な”3rd Tier”メーカーらしく、あまり詳しいことは判りません。”3rd Tier”を直訳すれば「三流の」とか「孫請けの」とかいう意味になりますが、実際の意味合いとしては「自社製品を他社ブランドへOEM供給していた小規模な万年筆製造メーカー」というのがピッタリのようです。このマジェスティック社は「PRESIDENT」や「UNIVERSITY」などのマイナーブランドへ万年筆をOEM供給していたようです。ニューヨークに本拠地を置き、小規模なメーカーの割に作りが比較的しっかりしており”3rd Tier”メーカーに有りがちな安物っぽさはありません。クオリティ的にはエスターブルックと同等か少し上と言ったところでしょうか。見た目も中々貫録がありますね。
ペンのディテールですが、ごく平凡なレバー・フィラー式ですが作りはしっかりしておりオリジナルの状態をキープしております。ペン先回りは金メッキされたスチール・ニブでテープライト型のセミ・フーデットタイプが装着されています。ただやはりペン先はコストダウンされておりイリジウムの無い「Rolled」タイプのペンポイントとなっております。エスターブルック1000番台・2000番台のニブと同じくロールケーキみたいなやつですね。書いた感じは「テープライト+Rolledペンポイント」ということもあり、ちょっと独特なガチニブ感があり他社にはない独創的なタッチを楽しむことができます。またペンポイントの大きさの割にかなり細い字が書ける上、インクの吸入量が多くフローもすこぶる良いのも「◎」です。後先を考えずに購入してしまいましたが、中々面白みのある興味深い万年筆でした。
※ボケボケですが「Rolled」ペンポイントです。
さてマジェスティック社ですが、40年代後半にはマーブル模様やパール模様の軸に14kペン先を持つモデルも何種類か発売していましたが1950年以前に廃業してしまいました。製品のクオリティが悪くなく独創的なアイデアが面白かっただけに残念ですね。
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