【パーカー】デンマーク製「スリムフォールド」（c.1960s）

【Parker】”Slimfold”（c.1960s）Made in Denmark.

本年最後の更新は、デンマーク製「スリムフォールド」の紹介をいたします。「スリムフォールド」は60年代パーカーのリーズナブルな価格帯の比較的小型な万年筆です。ペンは大量生産されたのか、或いは人気が無かったのかは窺い知れませんが、現在でも（デットストック物も含めて）コンディションの良いモノが英国製に限って容易に入手が可能です。エアロ・フィラー式でメンテナンスが楽な上、丈夫なシリコン・サックが装着されていますのでおそらく長持ちすると思います。先ずは写真から……。

※パーカーらしいシンプルで上品な佇まいが「◎」。写真右は胴軸のインプリント。

60年代以降、英国製とデンマーク製のタッチや書き心地感の違いはほとんど無くなりほぼ同じモノのように思います。またウイーク・ポイントがほとんど無いので実用万年筆として気軽に使えるところもイイですね。軸はちょっと細身で小型ですが、持ち歩き用としては十分なサイズだと思います。ペン先は硬くも無く・柔らかくも無く中庸でクセが無く、これと言った特長は無いものの素直で万人受けするように作られているような気がしますね。極々普通なところが気に入っております。またペン全体の仕上げも良くチープ感が無いところも「◎」ですね。

※デンマーク製ニブ（細字）と丈夫なエアロ・フィラー式。

デンマーク製「スリムフォールド」は探し始めると意外に見つけるのが難しいのですが、それでも年に何度か見かけるので気長に探し続ければ入手は可能だと思います。今回（半年以上前ですが……）はほぼデット・ストック状態のモノが入手できましたが、まァ～そこまで拘ることも無いような気がします。ペンのサイズはキャップを閉じて約12.5cm、キャップを尻軸に差すと約15cm、胴軸の直径が最も太い所で約10.5mm。エアロ・フィラー式で軸色は少し明るめのバーガンディ。レディース系のペンと比べる少し大き目ですが、キャップを尻軸に差して書いた方が書き易いかもしれません。私的には軸が少々細いのがネックですが……。

※英国製（ブルー軸）との比較。ほぼ同じですね。

本年も拙い記事にお付き合いしていただきありがとうございました。また来年も色々なペンやレストアのトピックなどを記事にしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。良いお年をお迎え下さい！！