【シェーファー】タッチダウン「タッカウェイ」（c.1949-50）

【SHEAFFER】Touchdown “Tuckaway” (c.1949-50)

今回はシェーファー「タッカウェイ」を紹介します。一時期かなりハマっていた頃がありましたが、ここ最近はほとんど使っておりません。たまに使いたくなることはありますが……。小型ペンの分類に入ると思いますが、キャップを尻軸に刺すと意外に長さがあり私の手には程よい感じでフィット感はバツグンです。見た目の可愛らしさとは裏腹にすこぶる実力派の実用万年筆で小さいからといって作りやメカニズム、パーツの品質に一切妥協がなく、兄貴分の「ステイツマン」や「バリアント」のFATモデルと比べても劣っているところはありません（共通部品も結構あります）。但しこの大きさゆえにインクの吸入量が少なく、そこが唯一の難点ですがそれ以外は「◎」です。

※写真左・左側より「タッカウェイ・ステイツマン」3本と金属キャップ仕様の「タッカウェイ・センチネル・デラックス」2本。

さて、ペン自体ですが同時代の「ステイツマン」や「バリアント」のFATモデル同様、製品のクオリティにバラつきがあり上の写真の通りペンの全長やキャップの刺さり具合がマチマチだったり、経年劣化のせいもあるかもしれませんが胴軸の長さもイロイロあります。まァ～そこら辺はこの時代の米国製品らしい「大らかさ」と「細かいことは気にしない」ということを認めてあげましょう。特に不具合があるわけじゃないので……。

※↑写真左側より14kツートーン・オープンタイプ・ニブのXF（ペルシアンブルー）、ショートハンド・ニブ「リ」（バーガンディ）、FINE（エバーグリーン）そして14kツートーン・トライアンフ型ニブのXF（バーガンディ）、激レアの「アカウンタント・ニブ」（ブラック）。

ニブは兄貴分（ステイツマンやバリアント）同様、オープンタイプは多少のシナリがありクセが無く扱いやすい一般的な万年筆に感じますが、トライアンフ型ニブはガッチガチのガチニブでシナリは全くありません。好きな方にはタマリませんがちょっとクセがありますね。両タイプ共にそれぞれ個性と特徴があり優劣はつけ難いので「お好きなほうをどうぞ」と感じですね。ただ実用万年筆ですので書き味や書き心地を追及しすぎると……「?!」です。これでもう少しインクの吸引量があれば……、と思うと惜しい感じがします。

インクサックは”#17s” or “#17½”サイズですが、長さは「ステイツマン」や「バリアント」モデルより短くなります。ペンのサイズはキャップを閉めて約11.8cmで直径は兄貴分（ステイツマンやバリアント）と同じ。メンテナンスの難易度は普通のタッチダウン並み。