【パーカー】英国製「 “17” スーパー・デュオフォールド 」（c.1962-64）+ビーク・シェイプド・ニブ

【Parker】”17″ Super Duofold（c.1962-64）<Beak Shaped nib> Made in England.

しばらく「ウォーターマン」の記事が続きましたが……。今回は趣向を変えて「パーカー」を紹介します。1960年代初めごろパーカー社はいろいろな製品をリリースしては引込めたりして商品構成が混乱していた時期だったのでしょうか？構造的に問題を抱えたまま短命に終った製品も多々あったようです。この「17」は1962年に「パーカーVP」や「65」のニブに似た（同じではない）変わり種オープンタイプ・ニブ（ビーク・シェイプド・ニブ）をひっさげて発売されましたが、64年にパーカー「21」や「51」のようなフーデット・ニブ（今でもよく見かける「17」）へ唐突に変更されました。ラインナップの見直し・整理をしたのでしょうか？……、結果としてわずか2年弱で生産終了となっているので探しても中々お目にかかることは滅多にありません。フーデット・ニブよりこっちのほうが面白いと感じるのですがね。但し外観のデザインや寸法などは変更されなかったようです。そして今現在このペンは激レアに近い扱いをされているので、もし「出会ってしまったら百年目」、観念して購入するか、それともスルーするか………あなた次第です。（笑）

※パーカーらしいオーソドックスにまとめられたデザイン。キャップリングがワイドバンド（幅が広い）のモノを”Super”と言うのかな？

「”17″ スーパー・デュオフォールド」の商品としての立ち位置は微妙（中途半端？）な感じで「デュオフォールド」として見れば明らかに廉価版であり、「17」として見ればメインストリームよりやや上級ラインの商品となりますね。いったいどういうターゲットを狙っていたのでしょうか？……判りません（笑）。ビーク・シェイプド・ニブの特長はパーカー特有の適度なシナリと紙当たりの柔らかさは微塵もありません。ガッチガチのガチニブでちょっとパーカーとは思えない程個性的で面白い（硬い）ペン先です。しかし長文を書いても指や手が疲れません。私的には好みなんですが……。

※如何にもガチっぽいビーク（くちばし）・ニブ。インクフローは抜群です。

ディテールは全長がキャップを閉じて約13.8cm、胴軸の直径は約11～11.5mm。ブルー軸で細字。キャップは深く尻軸に刺さるので、全長が5mm程度しか長くならず然程大きさは感じません。吸入方式はエアロ・フィラー式で丈夫な造りが売りのパーカーらしくレストアの必要はありませんでした。それにしてもこのシリコンサックは何年持ちこたえるのでしょうか？……呆れるぐらい丈夫ですね。

P.S.……どうも私はパーカーのインプレが苦手でしてどう表現していいか時々オロオロします。参考になるかどうか判りませんが、個性的で少しクセのある面白いペンなので紹介してみました。