【ヴィーナス】モデル名不詳〈エスターブルック・ニブ互換〉（c.1950s-60s）

【VENUS】“Unknown Models ” <Esterbrook nibs Compatible>（c.1950s-60s）

前回のヴィーナス・ペン紹介のところで少し触れましたが、ヴィーナスによるエスターブルック社買収後のニブ交換が可能なモデル名不詳のヴィーナス・ペンをご紹介します。発売・販売時期はおそらく1950年代後半～60年代あたりで、アメリカン・ペン（ペンシル）・カンパニー時代よりペンのデザインが少し垢抜けして材質も硬質プラスチックを使用するなど中々良い感じに進歩したみたいです。全体的には素っ気ないほどシンプルなデザインですが、ペンのカラーリングは飛躍的に「◎」ですね。写真では表現しきれていませんがグレー軸の方は少し茶色が混ざった灰色、ブルー軸の方はグリーンが混ざったいわゆる「テール色」で私的には好感が持てます。

※写真では実物のカラーリングを表現しきれておりません。

作り込みに関しては相変わらずチープ感があるのですが、首軸・胴軸や各部位の接合部分、レバーなどの質感はかなり向上しており丈夫な作りとなっております。このペンもシェーファーの”tip-dipペン”同様、実用万年筆としてガシガシ使ってほしいところですね。私はというとリントン・オズミロイドそしてエスターブルックのニブをとっかえひっかえ交換して楽しんでおります。

※極細字（X-FINE）と細字（FINE）のヴィーナス・ニブ。シェーファーの”tip-dipペン”同様、本当に細い字が書けます。

と言うことでいつものインクサック交換。ニップルの直径が約7mm弱なのでエスターブルックより一回り太い#17サイズを使用しております。ペンのディテールはキャップを閉じて全長約13.3cm、太さは胴軸の最も太い部分で約11.5cm。アメリカン・ペン（ペンシル）・カンパニー時代より小ぶりになり、同時代のエスターブルック・ペンより軸が若干太めです。書いた感じはエスターブルックと然程変わりませんでした。

※今回はサックの長さを若干短めにしてみました。インクの吸い込みがイイみたいです。

価格が安い上にいろいろと楽しめるのでコストパフォーマンスはすこぶる良いですね。