【エスターブルック】英国製「フルサイズ J」(c.1950s) = 幻のソリッド・カラー・モデル =

【ESTERBROOK】“Full-size J ” solid colour model.  (c.1950s) made in England.

前々回「これでエスターブルックの紹介は最後」などと言ってしまいましたが、欲しいと思う最後のエスターブルック・ペンを入手することができましたのでご紹介します。こいつは製造・販売期間が短い（50年代中頃）上に生産本数が極端に少なく、また英国のみで発売されていたためネット上で売買されることはほとんど無く、ほぼ入手不可能（英国国内をリアルに探せば見つかると思いますが…）と思っておりましたが、前々回のブログup後に売出しモノを発見したので即購入と相成りました。どうやら今年は「エスターブルックの当り年」のようですね。まずは写真から……。

※軸色は「サンド」。新品（N.O.S.）の「9556」ペン先が付いてきました。

さて、この「フルサイズ J」モデルですが、米国製の色合いが野暮ったい「マーブル模様」や「Icicle（ツララ）」仕様のペンはそこら中に溢れており特別珍しくも無いのですが、英国製ソリッド・カラー・バージョンは存在自体あまり知られていないせいか、ほとんど話題にのぼることは無いようです。ある意味私一人が盛り上がっているに過ぎないのかも知れません（笑）。ペンそのもののクオリティは米国製・英国製共に大差は無く、ほぼ同じモノと言っても過言ではありません。あえて言えば英国製の方が少し重みを感じる程度の違いしかありませんね。以下、「フルサイズ J」と「LJ」の比較写真です。

※「フルサイズ J」と「LJ」の比較。違いは軸の太さとレバーの形状のみ。

ペンのディテールはダブル・ジュエル仕様でキャップを閉めた状態で全長約12.8cm、胴軸の直径が約12mm。「LJ」と比べて軸の直径が約1.5mm程太いぐらいで、ペンの全長は変わりがありませんね。あとはレバーのツマミ部分の形状が「スプーン型」か「台形型」かの違い程度です。書き心地は以前紹介した「J – Transitional」のような重さや安定感があって非常にバランスの取れたペンに仕上がっており、また質感や貫禄も十分な上にタッチ感も良くこれと言ったネガな部分もありません。このペンも「J – Transitional」同様、9000番台シリーズのペン先か欲を言えば14kのペン先が欲しいところです。まァ～、結論から言えば期待していた通りのペンでしたと言うのが率直な感想ですね。そして本当に今回を持って「エスターブルック」のペンの紹介は最後になると思います。しかし実を言うと某B国製エスターブルック・ペンにも興味をソソられておるのですが、これだけネットが発達した現代でもさらに入手が難しいのでこちらは私的なライフワークとしたいと思っております。今まで拙い「エスターブルック」の記事にお付合い頂き本当にありがとうございました。※今回のブツはレストア済で購入しました。