【シェーファー】カナダ製「Tip-Dip クラフツマン」（c.1950s）タッチダウン+14kニブ

【Sheaffer】”Tip-Dip Craftsman” (c.1950s) made in CANADA.  (a.k.a. = “Canadian Craftsman” with steel cap.)

今回はカナダ製 Tip-Dip クラフツマン（通称 カナディアン・クラフツマン）のスチール・キャップ仕様をご紹介します。欲しいと思うペンの優先順位としてはかなり低かったのですが、偶然未使用品を見つけてしまい購入と相成りました。14kペン先が搭載されているものの、メイン・ストリーム・ラインよりやや下あたりの商品ですが扱い易くて癖が無い、中庸な万人向けのペンだったようです。先ずは写真から……。

※米国製「カデット＆クラフツマン」とスペックは共通ですね。

このペンは以前、豪州製「クラフツマン 52」のところで少し触れておりますが、モノとしての紹介は今回が初めてですね。旧クラフツマンの「14k No.33 ニブ」を Tip-Dip 化（ニブとペン芯を一体化したもの）してユーザー自身が簡単にペン先交換（スクリュー式）をできるように合理的な設計がなされております。ペンの特徴としては特筆すべき点は殆ど無く、米国製「カデット＆クラフツマン」と何も変るところはありません。ただペン先に14kが奢られているので少し贅沢な仕様に仕上がっております。見方によっては「カデット23」のカナディアン・バージョンとも言えなくもありませんね。

※「スクリュー式」の Tip-Dip ニブ。ペン先は「中字」のようですね。

外観的な特徴としては、クリップに金メッキが施されている程度であまり本気度は感じられず、また特別高価なペンにも見えません。まァ～、何と言うか学校に通う途中にある文房具屋さんで普通に売られていた感じの普及品のようですね。ただエポックな点として胴軸のインプリントからこの時期に製造拠点（工場）が移転したことが伺い知れます。以前は「MALTON. ONT.」（オンタリオ州モルトン）表記でしたが、このペンは「GODERICH. ONT.」（オンタリオ州ゴドリッチ）に表記が変更されていますね。

※金メッキ・クリップと胴軸のインプリント。写真右は「MALTON」時代のインプリント。

特に「コレッ」と言うところが無く、また使用する予定も無いペンですが、とりあえず「カナディアン・シェーファーの歴史」を語る一本として次の世代の人へバトン・タッチするまで大切に保管したいと思っております。今回は紹介のみと言うことで……。