【シェーファー】「800 ドルフィン C/C」(c.1962-64)+幻のスタブ・ニブ
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最終更新日:2017/06/17
01-万年筆紹介, 05-ペン先, 98-「幻」シリーズ, M01-SHEAFFER'S, N01-米国, s10-カートリッジ・コンバーター両用式
【SHEAFFER】 “800 Dolphin” Cartridge & Converter Filler (c.1962-64) with “Stub nib” made in U.S.A.
数年前よりこのドルフィンで「スタブ・ニブがあればな~ァ~、きっと面白いだろうなァ~」などと勝手な想像と思いをめぐらしておりました。ただ見つけ出すには確率や運だけではどうしようも無く、「何時か、何所かできっと入手できるだろう~」ぐらいの気持ちで気長に構えておりました。そもそも希少性が高く(生産された本数が極端に少ないらしい……です)そう簡単に入手できないことは「百も承知」しておりましたが、今回たまたまパーカーのバキュマチック・リペアツールを調べていたところ「オヤ!こんな所に?」って感じで発見しました。そして到着したペンは「想像通りのタッチと書き心地」でスラスラと筆が進む「面白くて、何んだかヤバ~ぃ」って感じのペンに感動している次第です。本ブログ上ではやれパーカーだの、ウォーターマンだのと色々ご紹介させて頂いておりますが、裏ではちょっと状態の良い「ステイツマン(FAT-TD)」や「ドルフィン」を見つけ出すとついつい触手が伸びてしまうという……結局、ナンだカンだ言ってシェーファーの魅力から離れられない~のですね……きっと!まずは写真から……。
※バーガンディ色の比較的状態の良い個体でした。
今回掘り出したブツはバーガンディの14k仕様「800カートリッジ・コンバータ両用式」バージョン。ペンのディテールは全長が約138mm、直径は最も太いところで約10.5mm弱、キャップを尻軸に差すと約14.3cm。タッチダウン仕様より(金属部品が無いので)若干軽く仕上がっております。さてこのスタブ・ニブの特徴としては少々荒っぽい表現になりますが、結構固めで腰があり、またペン先の戻り具合いが素直なので普通のペン先のように扱っても違和感がありません。スタブを意識しなくても普通に書けるところが「◎」です。特に横方向に書いている時などスムーズで引っ掛かりが無く、オマケに線(字幅)が細くドルフィン・ニブらしいリニアな動きと流れるような感覚・感触が「絶品」ですね。よくあるヨーロッパ系スタブのような腰の無いグニュグニュとした(筆っぽい)フレックス・ニブとは一線を画しております。この少し「ガチっぽい」書き味が米国人がイメージするスタブなのか?、それとも60年代的なスタブ・テイストなのかは判りませんがいずれにしても楽しさと同時に書き心地の良さに感心させられております。面白い~ですね~!
※如何にも「ガチ」っぽいスタブ?横線が細いのがイイですね。
ペン先ですが、下の写真の通りで「素っ気無い」感じのスタブ・ニブです。見た目は特徴的なところも無く極々普通のスタブ・ニブのようです。但し今回改めて気づいたのですが、ペン芯の露出部分が一切無いことです。あのフーデット・ニブの代表「パーカー51」でさえ、ペン芯の先端部分だけは露出しているというのに…。まァ~、構造的・理論的なことはさて置きここいらあたりが「ドルフィン・ニブらしさ」の秘密なのかも知れませんね!?
※至って普通のスタブ・ペンポイント。ペン芯の露出部分がありません!
最後にレストアの方ですが、カートリッジ式の60年代モノなので(私にとって)然程古さを感じるモノではありませんでした。普段扱っているもの(40s~50sモノ)に比べれば状態は上々で動作的な問題は無く、気になるような箇所や目立つキズもほとんどありませんでした。流石60年代のペンって感じでレストアに費やす時間や手間をかなり短縮することができました。今回は外観磨き(シミクローム+ルネッサンス・ワックス仕上げ)とペン先・ペン芯の洗浄程度で十分使用できるレベルになりました。そして、ここしばらくはこのペンの面白さから抜け出すことができなさそうな予感がしますね!普通のドルフィン・ペンについては以前ご紹介した500, 800, 1000「ドルフィン」の記事をご覧ください。
※思った以上に手間が掛かりませんでした。
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