【パーカー】デンマーク製「デュオフォールド・デミ」(c.1950s)
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最終更新日:2017/05/04
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【Parker】”Duofold Demi”(c.1950s) Made in Denmark.
またまたパーカーに戻って参りました。今回はエアロ・フィラー式のデンマーク製「デュオフォールド・デミ」をご紹介します。以前英国製「デュオフォールド・デミ」を記事にしましたが、この両者は若干スペックなど細かい部分が違うようです。そこのところを踏まえた上でお話を進めていきたいと思います。先ずは写真から……。
※緑色の「デミ」。シンプルなインプリントが特徴的ですね。
このブツは50年代に入ってデンマーク(クリスチャン・オールセン)にて製造されていた「デュオフォールド・デミ」でペンのディテールはキャップを閉じて約12.8cm、胴軸の直径が最も太いところで12mm強あり、ここまでは英国製と全く同じスペックなんですがキャップを尻軸に差すと約14.5cmとなり約3mm程度全長が長くなります。まァ~、持った感じは英国製と何ら変らず違和感も感じませんでしたのでモノとしてはほぼ同じだと思いますね。とにかくこのサイズが(私的に)絶妙なサイズ構成なんで中々手放すことができません。相当気に入っております!!
※今回は「SIMICHROME+ルネッサンス・ワックス」で仕上げました。
今回もキッチリとレストアを行いました。外観は4000番台のサンド・ペーパーを使って細かいスクラッチキズを落とした程度で済みましたが、ペン先・ペン芯、インクサックはそれなりに汚れておりました。先ずは一昼夜アスコルビン酸に漬け置きして青色インクを吐き出しました。次に水で洗浄した後これで終わりかと思ったのですが、今度は赤系インクが出てきましたので急遽プラチナ万年筆インククリーナーを使用してこれも一昼夜漬け置きしてなんとか終わらせることができました。インクサックの色も黒色から紫色に変りましたのでこれで良しとしました。そしてこの度は気分を変えてテカテカ系の「SIMICHROME+ルネッサンス・ワックス」で仕上げてみました。その他構造的・機構的には全く問題はありませんでしたのですぐに動作いたしました。
※ペン先の大きさは英国製とほぼ同じ。字幅は中細字程度でフレックス無し。
ペン先は英国製デミとほぼ同じサイズでスタンダード・タイプのペン先と比べると若干小さめのモノが搭載されているようです。またフレックス・タイプでは無いものの、ペン先そのものは少し柔らかく感じます。しかしインクフローは少し抑え気味なので程良い紙当たり感とフロー感が絶妙ですね。この感触は英国製デミでは得ることができません。両者はそれぞれ特長があって一長一短があり、また全てが完璧じゃ無いところに面白さと興味深さを感じますね。と言うことでインプリントが珍しいデンマーク製デミでした……。
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