【パーカー】デンマーク製「デュオフォールド AF」(c.1948-52)+レストア編
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最終更新日:2017/12/07
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【Parker】”Parker Duofold AF (Aluminium Filler)”(c.1948-52)Made in Denmark.
パーカーのラッシュが続きます。この度はデンマーク製「デュオフォールド AF(アルミ二ウム・フィラー式)」をご紹介します。軸色は「テラコッタ・ブラウン」で如何にもデンマーク製らしいベタな色合いですね。時代的にこの「AFモデル」は前回ご紹介した「NS」と次のエアロ・フィラー式のデュオフォールドのちょうど中間ぐらいの時期に当ります。デザイン的にはシングル・ジュエルのエアロ・フィラー式デュオフォールドに近い(ほとんど同じ?)ですね。先ずは写真から……。
※中々上品なブラウン軸と胴軸のインプリント。
■レストア編
ボタンとその襟の部分がアルミニウム製(下の写真)に変更されただけで構造的にはボタン・フィラー式と全く同じです。レストア手順は「米国製パーカーV.S.」や「アッカーマン」のページをご参照ください。ニップルの直径は約6.75mmなのでサックサイズは#17なのですが、手持ちの#17サイズの在庫が尽きたので今回は緊急的に#16サイズで代用しました。今のところインクの吸入・排出動作については影響や問題は起きておりません。またプレッシャー・バーは汎用タイプの66mmでした。
※今回のブツは復活までかなりの時間と手間を掛けました。
■ディテール
ペン先は概ねXF(極細字)~F(細字)程度で例のごとくNGIロゴが刻印された14Kニブ。若干シナリはあるものの、思った以上に字幅は細めでほぼフレックス無しタイプのようです。ペンのサイズはキャップを閉じて約13.2cm、キャップを尻軸に差すと約15.4cm、胴軸の直径が最も太い所で約12mm強。「NS」より扱い易いモノへ進化したように思えます。ザックリ言えば次世代の「エアロ・フィラー式」のデュオフォールドとほぼ同じようなタッチ感とフィーリングを感じますね。
※「NGI」ロゴ刻印のあるコンベンショナルな14Kニブ。
総じて40年代後半のパーカーはモデルの多様性に富み上質感と面白さを享受できる上、製造国によってそれぞれ特長・特色があって書き比べてみるのもこの時代のパーカー・ペンならではの楽しみだと思っております。そんな中でお気に入りの一本を見つけ出すのもビンテージ万年筆ならではの楽しみ方かも知れませんね。
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