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【メーカー不明】「グレッグ・オフィシャル 万年筆」(c.1940s-50s)

【Unknown Maker】”GREGG Offical fountain pen” (c.1940s-50s) made in U.S.A.

今回はショートハンドでお馴染みのグレッグ社のオフィシャル万年筆を紹介いたします。ペンのシャーシは全くもって不明なんですが、おそらく米国の3rd Tier系メーカーが製造したものと推察しております。クオリティは思ったほど悪くなく、適度な重みと質感が良好で中々の出来栄えに感じますね。但し、コストダウンと製造の容易さを追求した影響なのか胴軸デザインは直線的な寸胴型となっております。まずは写真から……。

gregg_01 gregg_02

※マズマズのクオリティですが、どこのメーカーやら……。

グレッグ社のオフィシャルを受けたシェーファーやエスターブルックのペンは以前「ショートハンド・ニブとは何か?」で掲載いたしましたが、それ以外のメーカーが製造したモノを紹介できずにいましたが今回やっと掘り当てました。ペンの特長はキャップ天冠部にグレッグ社のエナメル製ロゴ、「GREGG」の刻印が入った(おそらく汎用)鉄チン・ニブが付いた仕様になっております。まさに「GREGG」尽くしですね!このキャップ天冠部のエナメル製ロゴが付いたモデルは時々エバーシャープ製のペンなどで見かけますが、薄い情報によると戦前からオフィシャル・ペンにこのロゴが使用されていたようです。

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※ペン先・ペン芯と天冠部のエナメル製「GREGG」ロゴ。

さて、今回はキッチリとレストアしてみました。レバーやJバーは全く問題なく使用できるレベルにありましたが、特異な点としてレバーの位置が通常より尻軸寄りにあるのでインク・サックをあえて長めにカットしてさらにワンサイズ小さいモノ(#15s)にしてみました。これによりインクの吸入スピードは若干早くなりましたが、吸入量は少な目になっております。ここは許容範囲内で各自の好みに合わせてサックサイズや長さを変えるなどの試行錯誤を繰り返して楽しんでみるのもレバー・フィラー式ペンの利点ですね。(サックが引っ掛かりなく胴軸内に収まるのであれば、ワンサイズ程度の違いは問題ありません)次にペンの材質ですが柔らかいプラスチックで成形されているのですが、コンパウンドを掛け過ぎると簡単にプラチックが削れてしまいます。プラスチックを必要以上に削ってしまうとキレイには見えますが、軸痩せの原因となりますので注意が必要です。軸が痩せるとペンを持った時に違和感を感じると思います。ホドホドにしておいた方が無難ですね。

gregg_04

※思った以上にキレイに仕上がりました。

ペンのディテールは、レバー・フィラー式でキャップを閉じて約12.7cm、キャップを尻軸に差すと約16cm、胴軸の直径が約10.5mm。ペン先はオープンタイプの鉄チン・ニブで字幅は概ねXF~Fの中間ぐらい。筆記スピードが速くてもインクが途切れる事無くスムーズで気持ちの良いフローは健在ですね。私的にはちょっと細長く感じますが、ショートハンド・ニブの楽しさとレストアの醍醐味を同時に味わえる、オイシさテンコ盛りのペンでした。しかし鉄チンなんで耐久性の方はどうなんでしょう……??

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