【アッカーマン】モデル名不詳(c.1930s) + ボタン・フィラー式分解 & レストア編
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最終更新日:2017/01/09
01-万年筆紹介, 02-万年筆修理・補修関連, M13-AKKERMAN, N08-オランダ, s05-ボタン・フィラー式
【P.W.Akkerman】“Unknown Model ”(c.1930s)
今回はアッカーマンの古いボタン・フィラー式の万年筆をご紹介します。アッカーマンは文房具好きの方々ならご存知だと思いますが、オランダのアムステルダムとハーグに店舗を持つ老舗の文具店でおそらく100年以上の歴史があると思います。現在ももちろん営業中です。ここのお店はなにかとイギリスとのつながりが深いようで100周年記念モデルがパーカー・デュオフォールドをベースにした万年筆&ペンシルだったり、少し前に話題となっていたビー玉が入ったラムネビンのようなガラス容器のオリジナルインクも中身のインクはDiamine製だったりしております。また、過去に何度もアッカーマン・オリジナル万年筆&ペンシルを販売していましたがほとんどのモデルがパーカー・ベースのような気がします。(一部ラミー・ベースのモノもあるようです)この度のペンもどことなくパーカー・ベースのような気がしますが……。
さて、私にとってこのペンは持つこともレストア・分解することも「初物づくし」で、初の戦前モデル、初のセルロイド軸、初のボタン・フィラー式、初のクリップの無いリングトップキャップ、初のソリッドカラーでは無い結晶化した模様の軸、初のシリコン・サック使用など初物のオンパレードとなっております。緊張しつつ分解&レストアをやってみましたがセルロイドは熱に弱いだの、シリコン・サックの結着に時間がかかるだの、プレッシャー・バーが経年劣化して使用可能かどうかなど気持ち的にしんどかったです。しかし終わってみれば結構楽しめたかなと思っております。まずは分解から……
①先ずは分解・洗浄。上の写真をご覧ください。ニップルの一部が欠損していますが問題なさそうです。心配していたプレッシャー・バーもどうやらOK。首軸はエボナイト製だと思われますが経年劣化により変色していますね。パーツに欠品がないのでレストアへ。
②完成形を予測しつつシリコン・サックをカットします。カット位置は上記の写真(左)を参照してください。カット後シェラックで結着して約3時間ほど放置しました。(写真中央)次にプレッシャー・バーを挿入する写真はありませんが、サックの上部に載せる感覚でプレッシャー・バーを挿入していきます。(写真右)
③以後、組み上げた写真しかありませんが(上の写真)ペン先とペン芯をあわせて首軸に挿入、そしてボタンを尻軸から入れて組み立ては完了、最後に水の入ったコップを用意してボタンを押し吸入・排出に問題がなければレストアは終了となります。
※レストア後のペン。如何にも飽きるのが速そうな結晶化した模様(笑)。
❏ペンのディテール
このペンについてはどこにも正確な情報はありません。ただFPNでこのペンと似たモデルの記事が掲載されていたのでストーリーのリードにはなるかもしれません。興味のある方は下のリンクを参照してください。(一番下、最後の書き込みが興味深いです)
http://www.fountainpennetwork.com/forum/index.php/topic/273383-pw-akkerman/
ペンの詳細は全長約12cm、胴軸の直径は約10.5mm。インクサック・サイズは#15。パーツなどから推測するにおそらくパーカー・ベースのペンではないかと思います。デザインはレディース っぽく見えますが意外に大きいです。唯一の特長はニブ(写真上)でこれだけはパーカー製とは思えません。シェーファーTMタッチダウン・ステイツマンのツートン・オープンタイプニブとソックリです。14kですが上半分はパラジウム・コートのようです。フレックス・ニブでやたらにシナリまくりで簡単にペン先が開きますが、どこか芯がありガチニブの側面も持ち合わせている不思議なペン先です。レストア後使ってみた感想は戦前のペンはこんな感じなんですかね~~!?、それとセルロイドって軸やキャップに向いている素材なのかなぁ~~!?、毎日使える実用的なペンなのかなぁ~~!?、何となくコレクターアイテムのように感じて少し複雑な心境ですね。
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