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【パーカー】英国製「デュオフォールド」とその仲間たち(ネタあり)(c.1950s-60s)

【Parker】”Duofold U.K.” Family.  (c.1950s~60s)

パーカー・ペンを初めてをご紹介いたします。正直言ってあまり詳しくありません。私が所持しているのは1950~60年代のエアロメトリック・フィラーの英国製「デュオフォールド」とその派生モデルの合計4本のみです。元来、中字や太字がメインのイギリス・ヨーロッパ系の万年筆メーカーにはほとんど興味は無く、どんなに細い(極細字)といわれても私には中細字ぐらいにしか思えず、また中字や太字の万年筆はお金さえあればいつでも買えるぐらいにしか考えておりませんでした。(現在も基本的にはその考えに変わりはありませんが……)パーカー・ペンの私的なイメージとしては単に「字幅が太いペン」という認識しかありませんでしたが、久し振りに使ってみると如何にもイギリス男が好みそうな無骨なデザインと質実剛健な造り込み、エレガントさは無いものの威風堂々とした丈夫な実用万年筆としての「華(オーラ)」を感じることができました。メンテナンスのために約10年ぶりに引っ張り出しましたが思った以上にいい感触でした。以下、私が英国留学時代にイングランドやスコットランドで購入したパーカー・ペンです。

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※写真上より「デュオフォールド(STD)」(デンマーク製・ブルー)、「デュオフォールド(DEMI)」(英国製・バーガンディ)、「スリムフォールド」(英国製・グリーン)、「パーカー17・レディ」(英国製・ブルー)。全てエアロメトリック・フィラー式。

さて、デュオフォールド・スタンダードとデミですがそもそも「デミ・サイズ」があること自体知りませんでしたので永らくバーガンディ軸(デミ)は不良品かフランケン・ペンだと思っておりました(^笑^)。スタンダードとデミの違いはキャップを閉じた状態の全長と首軸・胴軸・キャップの長さは全く同じですが、面白いことにキャップを尻軸に差すとデミの全長が短くなるという構造です。下の写真を観察しますとスタンダードは胴軸から尻軸まで胴軸の直径に変化はありませんが、一方デミの方は尻軸に行くにしたがって軸が細くなっているのが解ると思います。このためデミのキャップがより深く差さるため全長に変化が起きるようです。何と言ったらいいか、最近まで全然気づきませんでした。

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※デミ(バーガンディ軸)の尻軸が少し尖っているのが解ると思います。写真右はキャップを差し替えてみたもの。

❏各ディテール(写真をご覧ください)

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※↑エアロ・フィラー式。デンマーク製のニブ(D)と胴軸のインプリント。【細字】

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※↑イギリス・ニューヘイブン製のニブ(N)と胴軸のインプリント。【中字】

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※↑60年代初め頃と思われる「スリムフォールド」のニブ(5)。【中字】

ペン先のイリジウムのテンコ盛りがいいですね。シェーファーとは違い太っ腹ですね!!パーカーのエアロ・フィラー式のシリコンサックは驚く程丈夫で着色(ステイン)はしますが簡単に破けたり、裂けたりしませんので交換の必要はありませんでした。メンテも楽で日常使いのペンとして最適な逸品ですね。ただ、もしオークションで購入する場合はスタンダートとデミの違いを説明できる売り手であれば良いのですが、写真だけ見ても恐らく見分けがつかないと思います。

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