【ウェアエバー】「ペナント」(mid.1950s)

【WEAREVER】”Pennant” (mid.1950s)

このウェアエバーのペンも「J-BAR交換の研究材料」として数年前に購入したものです。J-BARが壊れているペンがグッドタイミングでeBayオークションに格安で出品されておりました。応急処置として折れたバーを組み込んでいたようです。それと同時に新品の適正サイズのJ-BARも購入しました。このように折れたステーをうまく利用すればきちんとインクが吸入できるレバーフィラー式は「流石だな」と当時は感心しておりました。交換は治具（写真下・右）があれば簡単でJ-BARの背中がきちんとレバーに当たるように真っ直ぐ胴軸の奥まで入れるだけで特にコツなどはありません。

※折れたJ-BARと適正サイズのJ-BAR（写真上・左）。

さて、この「ペナント」ですが私が所持しているペンの中でも最も安っぽく子供のオモチャのようなペンです。呆れるのも通り越して「よくぞ、ここまでやったネ！」と称賛したいぐらいチープな作りですね。キャップは金属に見えますが、実はプラスチックキャップにアルミニウムを張り合わせただけという何とも言い難い仕上がり。ただそのおかげでペンのバランスは良くトップヘビー感はありません。しかしペン芯には例のインクの残量が見える「C-FLOW」が採用されていたり、ペン先上部には何やらステーらしきものが中央を貫いていたりと安っぽい外観とは対照的に凝った構造となっております。このステーは「OVER-FEED」と呼ばれておりインクの乾きを遅くするためのものらしいのですが設計者が考えた程、機能は果たされていないそうです。ニブは太字でマジックインキのようにインクがドボドボ出てくるので使い方によっては面白いかもしれません。あまり万年筆という感じはしませんが、軸色の「ベビー・ブルー」がチープさを際立たせているところが気に入っております。

吸入方式はレバーフィラー式。サックサイズはウェアエバーの定番で#17s。J-BARは54mmタイプ。このペンも出番なく机の引き出しの奥に眠ったまま。